古着好きやヴィンテージジーンズコレクターの間で、いまだに語り継がれる存在…それが「対戦モデル」です。第二次世界大戦中に生まれ、現代でも多くのファッションブランドに影響を与え続けるこの名品は、古着せどりにおいても非常に高い価値を持ちます。
この記事では、対戦モデルとは何か?から、具体的な見分け方・せどりでの狙い目まで詳しく解説します。
1. 対戦モデルとは?
「対戦モデル」とは、第二次世界大戦中(1942年〜1946年頃)にアメリカで製造されたジーンズやワークウェアなどの総称です。主に**Levi’s(リーバイス)**が有名で、特に「501XX」の対戦モデルはヴィンテージ市場でも圧倒的人気を誇ります。
なぜ「対戦」なのか?
第二次世界大戦下では、アメリカ政府が衣料品製造に対して物資統制を行い、リベット・ステッチ・タブなどの金属・生地の使用量を削減するようメーカーに指示しました。
この制約の中で作られたジーンズが「対戦モデル(Wartime Model)」と呼ばれる理由です。
2. 対戦モデルの特徴と見分け方
2-1. 簡素化されたディテール
戦時下の物資不足により、通常モデルと比べてデザインがシンプルになっています。
- リベット削減
コインポケットリベットの廃止やバックポケットの隠しリベット省略など。 - バックポケットのアーキュエイトステッチ
通常の縫製ではなくペンキによるプリントが採用されるケースも。 - トップボタン・リベットの素材変更
鉄製から簡素な素材に置き換え。
2-2. 紙製パッチ
レザー製の「Two Horse Patch」に代わり、紙パッチが採用されています。経年変化で破れやすいため、残っているものは極めて希少。
2-3. タブ(Red Tab)のバリエーション
- 「LEVI’S」文字が片面のみ(片面タブ)
- 稀に「Big E」表記
これも年代判別の重要ポイントです。
2-4. 生地(デニム)の質感
戦時中のため、生地ロットが不均一でネップ(糸の節)やムラ感が強いのも特徴。これがヴィンテージならではの風合いとして人気です。
3. 対戦モデルの代表的アイテム
3-1. Levi’s 501XX 対戦モデル
ヴィンテージデニムの王様とも呼ばれる一本。状態の良いものは数十万円〜100万円超で取引されることも。
3-2. Lee 101B 対戦モデル
Levi’s以外ではLeeも対戦モデルを生産。こちらも同様に簡素化デザインが特徴。
3-3. ミリタリー・ワークジャケット
- US ARMYのデニムジャケット
- カーハートのワークウェア
なども対戦モデルに含まれることがあります。
4. 古着せどりで狙うべき理由
4-1. プレミア価格がつく
Levi’s 501XX対戦モデルは、状態次第でメルカリやオークションで数十万円単位の利益が期待できます。
4-2. コレクター需要が高い
日本国内だけでなく、海外コレクターからの需要も非常に強いジャンル。
4-3. 歴史的価値がある
単なる古着ではなく、戦時中の歴史を背負ったアイテムとして特別な価値があります。
5. 対戦モデルの仕入れ先
- アメリカ買い付け
フリーマーケット、スリフトショップなどでの発掘。 - 国内の古着卸業者
倉庫で眠っている可能性も。 - オークションサイト
eBay、Yahoo!オークションに高確率で出品あり。
6. 注意点と対策
6-1. 偽物・リプロダクトに注意
近年は**リーバイスの復刻版(LVC等)**も人気ですが、対戦モデルとは価値が違います。見分けるポイントは:
- タブのフォント(Big EかSmall eか)
- ステッチの色・ピッチ
- パッチの素材
6-2. 経年劣化
未使用のデッドストックなら高額ですが、多くはダメージ・色落ち・リペア跡あり。この場合も「雰囲気系」として需要はありますが、価格設定は慎重に。
7. 価格相場の目安(2025年時点)
アイテム | 状態 | 相場価格 |
Levi’s 501XX 対戦モデル | デッドストック | 80〜150万円 |
Levi’s 501XX 対戦モデル | 色落ち・ダメージあり | 20〜50万円 |
Lee 101B 対戦モデル | 美品 | 15〜30万円 |
※市場の変動が激しいので最新相場チェックが必須。
8. まとめ:対戦モデルは古着せどりの夢が詰まったアイテム
対戦モデルは単なる「古いジーンズ」ではなく、戦争という歴史の中で生まれた特別な存在です。その希少性とストーリー性が、コレクターやファッション愛好家の心を惹きつけ続けています。
古着せどりの視点から見ても、適切な仕入れと見極めができれば一撃で大きな利益を得られるチャンスのあるアイテムです。