古着を仕入れるとき、また販売するときに「タグの年代」が分かると大きな武器になります。特にアメカジやヴィンテージ好きにとって、年代は価値を大きく左右する要素。
この記事では、古着のタグの見分け方と年代ごとの特徴を、初心者にもわかりやすく解説します。
なぜタグをチェックするべきか?
古着の年代判別にはさまざまな方法がありますが、タグを見ればかなりの情報が得られます。
特に以下のポイントが分かります。
- 製造年代
- 生産国(USA製など)
- ブランドロゴの変遷
- 素材や洗濯表示のトレンド
つまり、タグからその服の「時代背景」や「希少性」が見えるのです。
年代別タグの変化の基本知識
ここでは年代ごとに、よくあるタグの傾向を紹介します。
1950〜60年代:手書き・布タグが主流
この時代は「手縫い風のステッチ」「紙タグ」「布に直接スタンプされたタグ」が特徴的です。ブランドロゴも極めてシンプル。洗濯表示がないものも多く、素材感で年代を推測する必要があります。
1970年代:ブランドロゴの明確化と洗濯表示
ブランド戦略が進み、ロゴや商標が明記されるように。アメリカ製タグには「MADE IN USA」の記載が多くなり、洗濯表示も導入され始めました。
また、ポリエステル素材が増えるのもこの頃です。
1980年代:カラフルなプリントタグとバーコード
80年代はタグがカラフルに進化し、ポップなデザインが登場します。紙タグにバーコードや型番が記載されるようになり、量産体制が進んだ証でもあります。
この時代の古着は、現在の90sリバイバル人気に押されて再評価されています。
1990年代:ブランド戦略が本格化・サブライン増加
この時代はブランドが複数のラインを持ち始めます。タグには「SPORTSWEAR」「BASIC」「VINTAGE」「AUTHENTIC」などの表記が増え、ブランドの立ち位置を読み解くヒントになります。
タグの裏にバーコードや素材比率、製造国がびっしり記載されているのも特徴です。
2000年代以降:シンプルで機能的に
現行タグは白地に黒文字のシンプルなものが多く、環境配慮のためリサイクル素材を明記するケースもあります。逆に言えば、装飾のないタグ=比較的新しい可能性が高いです。
ブランド別:タグの特徴と見分け方
具体的なブランドで、年代の見分けポイントを紹介します。
Champion(チャンピオン)
- 70s:赤単タグ、ランタグ(ランナーマーク)などが有名
- 80s:トリコタグ(赤・白・青の三色)で人気
- 90s:刺繍タグやリバースウィーブタグが登場
タグの色やデザイン、縫い付け位置で年代がかなり正確にわかります。
👉 関連記事:古着好きに愛される“チャンピオン”とは?定番スウェットとタグの見分け方
Levi’s(リーバイス)
- 赤タブの「E」の大小(BIG Eかsmall eか)が見分けのカギ
- 501などの品番タグの紙質や字体も参考になります
- パッチが紙か革かでも年代が変わります
👉 関連記事:【完全ガイド】古着で選ぶLevi’s(リーバイス)|定番ジーンズの魅力と型番別攻略法
Carhartt(カーハート)
- 80年代:白地タグに筆記体ロゴが多い
- 90年代:四角いロゴタグが増加
- 現行は黒タグや、マルチラインの表記あり
ブランドロゴの変遷でかなり正確に絞れます。
👉 関連記事:古着好きに人気の“カーハート”とは?定番アイテムとタグでわかる見分け方
見落としがちなタグの要素
タグを見るとき、ロゴだけに注目しがちですが、以下の点も確認してください。
- 縫い付けの糸の色と種類
- フォントの太さや字間
- 国名表記が英語かどうか
- 製造国や工場番号の記載
こうした小さな要素が年代の決定打になることも多いです。
タグの状態から分かる価値と希少性
古着タグの状態も重要です。
- 未洗いでタグがパリッとしている=デッドストックの可能性あり
- 色あせやかすれがある=よく着られた証拠で人気が出る場合も
とくにヴィンテージ市場では、タグが残っているか否かで価格が倍になることもあります。
タグがない場合はどうする?
古着には「タグが切られている」「消えて読めない」というケースもよくあります。そんなときは以下を確認。
- 縫製の仕様(チェーンステッチなど)
- ボディの色褪せや縮み方
- プリントや刺繍の技法
また、【古着の素材知識】や【古着の選び方ガイド】などを参考に、総合的に判断しましょう。
まとめ:タグは古着の“履歴書”
タグは、古着の持つ背景やストーリーを知るための貴重な情報源です。
- ブランドごとに違う特徴
- 年代によるロゴや表記の違い
- タグの素材やデザインから価値を判断
こうした知識を身につけることで、仕入れ時や出品時に大きな武器になります。