~歴史・タグの見分け方・古着せどりでの価値まで徹底紹介~
「フルーツオブザルーム(Fruit of the Loom)」と聞いて、あなたはどんなイメージを持ちますか?
「アメリカ製のTシャツ?」「パックTのブランド?」「安い下着メーカー?」
古着に関わる人なら、きっと一度は目にしたことがあるであろう「フルーツオブザルーム」。一見するとシンプルな無地Tのブランドに見えますが、実はこのブランド、100年以上の歴史と独自のファッション的価値を持つアメリカの名門なのです。
この記事では、フルーツオブザルームの歴史やタグの見分け方、せどりでの価値判断、仕入れ・販売のコツまで、初心者にも分かりやすく、かつ実践的に解説します。
ファッション好きはもちろん、古着転売をしている人にとっても武器になる知識をたっぷり詰め込みました。
フルーツオブザルームとは?
概要
Fruit of the Loom(以下:FOTL)は、アメリカ発のアンダーウェア・Tシャツ・スウェットウェアのブランドで、1851年創業という非常に長い歴史を誇ります。
本社はケンタッキー州ボウリンググリーン。アメリカ国内ではパックTや下着ブランドとして国民的な存在です。
その名のとおり、ロゴには「フルーツ(果物)」──リンゴやブドウなどが描かれており、愛らしさと親しみやすさから世界中にファンがいます。
歴史:アメリカ衣料の象徴的ブランド
FOTLの誕生はなんと1851年。創業者はロバート・ナイト(Robert Knight)という織物業者。
1871年には「Fruit of the Loom」の商標を正式に取得し、アメリカ国内でも最も古い商標登録の一つとされています。
戦時中は軍用のアンダーシャツ、Tシャツなどを納入し、戦後は庶民向けの日用品ブランドとして急成長。
1960〜80年代には、HanesやRussellと並び、「アメリカ製無地Tシャツ御三家」の一角としてファッションシーンにも浸透しました。
90年代のグランジブーム、2000年代のアメカジ回帰の波を経て、現在も無地Tシャツ・スウェットの名ブランドとして古着市場で高い人気を保っています。
タグ(タグで年代を見分けよう)
フルーツオブザルームを語るうえで欠かせないのが「タグの種類」です。
タグのデザインで、おおよその製造年代を判別できます。これはせどりにおいて非常に重要です。
80年代以前(バータグ)
- 特徴:細長くて横向きに文字が書かれている
- 「BAR TAG(バータグ)」と呼ばれる
- 製造国:USA製
- 価値:非常に高く、コレクターズアイテム
90年代(フルーツタグ)
- 特徴:果物の絵が大きく、中央に配置されている
- 白地に赤、緑、紫などカラフルな配色
- 「FRUIT TAG」「BIG FRUIT TAG」とも
- 製造国:USA/MEXICOなど
- 価値:人気あり、状態が良ければ高値に
2000年代以降(スクリーンプリントタグ)
- 特徴:タグなしで、襟裏に直接プリントされたもの
- 現代の大量生産モデル
- 製造国:中国、ホンジュラスなど
- 価値:古着市場では低め、が状態良ければ売れる
FOTLが古着せどりで注目される理由
1. 圧倒的な認知度と安心感
フルーツオブザルームは、ブランドとしての知名度が非常に高く、「無名の無地T」よりもはるかに信頼されます。
しかもUSA製の古いモデルは**“アメカジの象徴”**として再評価されており、需要が高まっています。
2. カラー・サイズ・状態次第でプレミアがつく
- 黒やネイビーなど定番色のほか、フェードしたグレーやくすんだ色味のTシャツは人気
- XL、XXLなどビッグサイズは90sストリートの流れで需要あり
- 色褪せ・ひび割れプリントなども“味”として評価される
3. ブランド物とのコラボも増加
近年では、SupremeやBEAMS、STUSSYなどとFOTLがコラボしたアイテムも登場。
無地のTシャツブランドとしてではなく、「ファッションアイテム」として再認識されているのです。
実践:せどりでの仕入れ・販売のポイント
仕入れの基準
項目 | 判断ポイント |
タグ | バータグ/フルーツタグは仕入れ対象 |
状態 | 毛玉・汚れはOK。致命的な穴や黄ばみはNG |
サイズ | L以上が売れやすい(今のトレンド) |
色 | 黒・ネイビー・グレー・フェードカラーが狙い目 |
売り方・タイトル例
【USA製】90s フルーツオブザルーム スウェット BIGサイズ XL ブラック フェード 古着
80s FOTL バータグ スウェットシャツ ヴィンテージ グレー アメカジ
→ 「USA製」「90s」「BIG」「FOTL」などのキーワードは検索対策にも有効です。
Q&A:よくある質問
Q1:新品のFOTLは仕入れ対象になる?
→ 基本的にはNG。現行品は大量生産&安価なので、古着・ヴィンテージに絞った方が利益率が高いです。
Q2:状態が悪くても売れる?
→ フェードやプリントのひび割れなどは“味”として評価されることも多いです。ただし、大きな穴・破れ・カビ臭は避けるべきです。
Q3:タグが切れていても売れる?
→ 難しいですが、写真と説明で「FOTLと思われる」など明記すれば可能。ただし価格は控えめに設定した方が無難です。
海外での評価と今後の展望
実はFOTLは現在、バークシャー・ハサウェイ(あのウォーレン・バフェットの会社)傘下にあります。つまり巨大グループが支えているため、ブランド自体が消えることは考えにくいです。
アメリカやヨーロッパの古着市場でもFOTLは「安定のベーシック」として重宝されており、今後も“無地系古着”の価値が再評価される流れの中で、じわじわと価格が上昇する可能性があります。
まとめ:フルーツオブザルームは「仕入れてよし、語ってよし」の優良ブランド
- アメリカ発の老舗ブランド
- 年代によってタグが異なり、価値も変わる
- 90sストリート、アメカジ、ヴィンテージとしての価値が上昇中
- 状態や色味、サイズで“化ける”可能性あり
フルーツオブザルームは、一見すると地味なブランドに見えるかもしれません。しかし、せどりにおいては**「堅実に利益が出せる」「知っていると差が出る」**極めて有能な存在です。
今後、仕入れ時に「FOTLのタグがあるか?」を確認するだけで、あなたの仕入れの精度がぐっと上がるはず。
小さな知識が、大きな利益へとつながる。
ぜひこの情報を、古着せどりに活かしてみてください。