古着せどりの世界には、知っているかどうかで利益が大きく変わる“キーワード”が多数存在します。
前回は「アメカジ」「ラグラン」「オーバーダイ」について解説しましたが、今回はさらに深掘りし、ヴィンテージ古着において重要な3つの用語──「タロンジップ」「ボックスシルエット」「トリコタグ」──について詳しくご紹介します。
これらを知っているだけで、古着の仕入れ判断や販売時のアピールポイントが格段に向上します。
特に、ハイレベルな仕入れを目指す中級者・上級者にとっては必須の知識です。
1. タロンジップ(TALON ZIP)とは?
タロンジップとは何か?
「タロン(TALON)」とは、アメリカの老舗ジッパーメーカー。
古着界では「タロンジップが使われている=古くて価値がある」という認識が広く浸透しています。
TALONは1893年創業で、Levi’s、Lee、Wrangler、Championなど、数多くのアメリカンブランドで使用されてきました。
タロンジップの見分け方と年代
タロンジップにはいくつかのタイプがあり、年代によってデザインが異なります。ここでは代表的な3タイプをご紹介します:
タイプ | 特徴と年代 |
TALON 42 | 戦前〜1950年代に多く見られる。刻印が特徴的で希少性が高い。 |
TALON センター刻印 | 1960〜70年代前半のアイテムに多く使用。現在でも高い人気。 |
TALON ナンバー無し | 1970年代後半~1980年代。後期モデルとして認識される。 |
せどりでの活用ポイント
- 商品タイトルや説明文に「TALONジップ」「タロン42」などと明記。
- 「ジップで年代判別ができる」ことを活かし、販売ページでアピール。
- TALON ZIP付きのデニム、ジャケット、パーカーは特に高値がつきやすい。
2. ボックスシルエットとは?
ボックスシルエットの定義
直線的で、身幅が広く、丈が短めのシルエットを指します。
まさに“箱型(ボックス)”のような形状で、ビンテージのシャツやジャケットによく見られるスタイルです。
どんなアイテムに多い?
- 開襟シャツ(特に1950〜70年代のレーヨン素材)
- チャンピオンのリバースウィーブ(着丈が短く身幅が広い)
- ワークジャケット、コーチジャケット
- オンブレチェックシャツなどのアメリカ古着全般
ボックスシルエットの魅力
- 体型を選ばず、ゆったり着こなせる
- ヴィンテージらしい雰囲気がある
- 重ね着やレイヤードにも向いている
ファッション感度の高い若年層から、幅広く支持されているシルエットです。
せどりでの活用ポイント
- 商品説明に「ボックスシルエットでトレンド感◎」「今っぽいゆったりスタイル」と記載。
- オーバーサイズ需要とも相性が良く、特にユニセックスでの訴求に強い。
- 着画があると、シルエットの良さがより伝わりやすい。
3. トリコタグとは?
トリコタグとは?
アメリカの老舗ブランド《Champion(チャンピオン)》のタグの通称で、「赤・白・青」のトリコロールカラーのロゴタグが特徴です。
このタグが付いているアイテムは、1980〜90年代初頭に生産されたもので、現在の古着市場では非常に高い人気を誇ります。
トリコタグの見分け方
- タグに「Champion」の筆記体ロゴ
- 赤・白・青の3色構成
- 「MADE IN USA」の表記あり(稀にメキシコ製も)
中でも「MADE IN USA」のトリコタグは高値で取引されることが多く、特にスウェットやTシャツはプレミアがつくことも。
トリコタグが付く主なアイテム
- リバースウィーブスウェット(90年代を代表するアイテム)
- Tシャツ(カレッジプリント、スポーツチーム系)
- パーカー(カットオフやフェードありも人気)
せどりでの活用ポイント
- タイトルに「トリコタグ付き」「90s Champion」などを記載。
- 説明文に「希少なUSA製」「タグから90年代前半と判別」など、年代の裏付けを明示。
- 状態が良ければプレ値での販売が狙える(特にカレッジ系プリント)。
総まとめ:用語を知れば古着はもっと売れる!
3つの用語を組み合わせて価値を引き出す
例えば、以下のような商品説明文が作れます:
Champion(チャンピオン)の90年代トリコタグ付きリバースウィーブスウェット。ボックスシルエットで今っぽく着こなせる一枚。ジップにはTALON社製のヴィンテージパーツを採用しており、希少価値も◎。
これだけで、古着好きの購買意欲をしっかり刺激できます。
商品の仕入れ判断にも使える
- 「タロンジップ付き→年代物で利益が狙える」
- 「ボックスシルエット→トレンド感があるので売れやすい」
- 「トリコタグ付き→コレクター需要がある」
このように、ただ古着を仕入れるのではなく、「どのパーツが価値を生むか」を意識することで、利益率は飛躍的に向上します。
最後に:古着せどりの成功は“知識の差”から生まれる
古着せどりは、流行やブランド力だけでなく、「見えない価値を見抜く目」が物を言う世界です。
今回紹介した「タロンジップ」「ボックスシルエット」「トリコタグ」は、その象徴とも言える存在。
これらを正しく理解し、商品説明や仕入れに反映できれば、ライバルに差をつけることが可能です。
知識は仕入れ力であり、販売力でもあります。
ぜひこの記事をブックマークし、実際の仕入れ現場や出品時にお役立てください。